ウマの胃潰瘍は内視鏡検査をしないと分からない

ウマのなかで、胃潰瘍が最も多いのは競走馬だ。

80%とか90%とか言われるが、胃潰瘍かどうかは胃内視鏡検査をしてみないと分からない。
飼い葉食いが悪くても胃がきれいな馬もいる。
軽い胃潰瘍と思って検査をしたら、胃の粘膜がドロドロの馬もいる。
入厩時の検査で胃がきれいでも、一週間後にはドロドロになる馬もいる。
飼い葉減少、やせている、体重が減少、イライラする、ボロがやわらかい、ボロが黒い、このような症状があれば、胃内視鏡検査が必要。

乗馬では、競技馬やエンデュランスのウマにも胃潰瘍がある。

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正常な胃。粘膜はピカピカで白く、内視鏡検査では胃の中が明るく見える。
薄いピンク色の所が胃液を出さない無腺部。胃潰瘍になりやすい部位。下に見える赤いところが、腺部。胃液を出す部位。

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G2の胃潰瘍。このくらいだと相当痛いはず。イライラ、体重減少、飼い葉食わない、etc。

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G3の潰瘍。正常な胃粘膜がほとんどない。ウマは胃がかなり痛い。飼い葉食いは悪く、体重も落ちる。出血でボロが黒くなるウマもいる。
これじゃ、競馬も走らない。ガストロガードを2週間投与することで、ほとんどは完治する。しかし、 せっかく治っても追い切りやレースで再発する。
なりやすいウマはメーカー推奨の予防量では足りない。推奨量ではレースや追い切りで再発する。

 

国際医用画像展に行って来ました

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毎年パシフィコ横浜で開催される国際医用画像展に、今年も行って来ました。レントゲン関係、エコー、MRI,CT,画像処理などの最新技術が展示されている。
ウマの獣医として気になっているのはもちろんDR。DR(Direct Digital Radiography)。
撮影をするとすぐにパソコンに画像が表示される。
往診先のその場で画像が確認できるので超便利なのですが、ベンツが1台買える値段。
人では野戦病院、災害時に使われている。
ウマでは10年くらい前からアメリカで普及してきたが有線でカセット、パソコン、レントゲン、それぞれがつながっていたので、使い勝手が悪かった。
日本では、昨年あたりからワイヤレス仕様が出てくると、一気に各社がそろえてきた。さすが日本の技術力。

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コニカのブース。AeroDR。

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DRの草分けCANON。他社に遅れてワイヤレスDRを発表。

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富士はFCRが今年30周年だそうだ。私も30年使った!
でも、DRが出たとたん、動物病院でしか売れなくなったらしい。
富士のDRはイメージャーがFCRのものを使えるので便利かも。
富士のDRの画像はやはりFCRと同様で、骨がエッジ強調されて一番きれい。
アメリカでは、ゼロラジオグラフィーの影響があるせいか、ウマでは
もっと強調した画像が好まれている。この方が、骨折見やすいね。
CANON,KONICAの担当者は知っている?富士のひとは知っていた。

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ネコちゃんも興味ある?富士のワイヤレスDRセット。

腸石が出た

13歳の乗馬。5日ほど前から疝痛だったらしい。
腸の動きは弱く、ボロもしていない。
HT44,HR54,乳酸値は1.3,TP6.8 。呼吸は荒い。でも具合はあまり悪そうではない。
直検をしてみると、驚いたことに指の先に固い物が・・・・。
どうやら、小結腸を通過して、直腸の入り口で腸石が詰まったらしい。オイルを飲ませると,翌朝1個出た。
再度直検してみる、また1個出現。もう一度オイルを飲ませる。また翌朝1個出る。
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けっこう大きい。良く、小結腸を通過したもんだ。腸石は扁平だと複数ある証拠。まだ、ありそうな感じ。

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3つ目でました。
最後が一番大きい!黒くて小さい石の周りも腸石の成分の色が付いている。
小さい石が核になって育つ証拠。
複数の大きい腸石があると腹の中で石がぶつかり合う音が聞こえることがあるらしい。一緒に歩いて聞いてみよう。

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1ヶ月前は、雪で真っ白だった浅間山。